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ルールを守る重要性

事故につながる「不安全行動」を防止しましょう

中川 潔(安全安心株式会社)

労働安全衛生コンサルタントとして、業界問わず安全で快適な職場づくりをサポート。
安全衛生診断、現場指導や安全教育などを行い、企業の安全衛生レベル向上に努める。

ルール違反により多くの労働災害が発生

労働災害の主な原因に「不安全行動(作業者本人や周囲の安全を損なう可能性のある行動)」があります。厚生労働省の分析では、労働災害の9割以上が不安全行動に起因するとされています。

●労働災害の発生原因
不安全な行動および不安全な状態 約95%
不安全な行動のみ 5%未満
不安全な状態のみ 5%未満
どちらもなし 1%未満

不安全行動が発生する背景には「ルール違反」があります。ここでいうルールとは、一般的に作業手順書などに明記されているものです。これらは安全に作業を行うために定められており、過去の事故や災害を教訓として作られているケースもあります。そのため、作業手順書に沿わない行動は、災害に遭うリスクを高め、過去の事故を繰り返す要因となります。以下のような例が挙げられます。

ヘルメットを着用せず高所で作業する
墜落して頭部を損傷する
保護眼鏡を着用せず化学物質を取り扱う
目に異物が入って失明する
稼働中の回転機械に触れる
手などを巻き込まれて損傷する
トラックの荷台から飛び降りる
着地時に転倒して骨折する
車両運転時に後方・周囲を確認しない
他の作業者や通行人などと接触する

なぜ、ルール違反は発生するのか

作業者がルールを知っていても、必ずしも守っているとは限りません。例えば、乗用車の運転中に制限速度を超えるドライバーも少なくありません。ルールを知っていても守らない理由として、以下のようなものがあります。

〈例〉

  • ルールどおりに行うより早く完了する
  • ルールに反してもケガをしたことがない
  • このくらいは大丈夫だろう
  • 同僚も同じように作業している

…といった軽率な判断、思い込み

ルールに反した行動をすると必ず命を落とすのであれば、誰も違反しないでしょうが、ルールを無視して何事もなかったという過去の経験などが、ルールの軽視を招いてしまうのです。

現場でルールが守られるには

形だけになりやすいルールを現場で機能させるためには、以下の条件を満たすことが必要です。

  1. ❶なぜそのルールが必要なのか、「ルールの必要性」と「ルール内容」を作業者が理解し、納得している
  2. ❷「何が適正で、何が違反か」、ルールの判断基準が具体的かつ明確になっている
  3. ❸ルールに反したときの重篤なケガのリスクなどを作業者が認識している
  4. ❹ルールが守られる環境が整い、事業者が監督を継続している
  5. ❺職場全体で、安全教育や声掛けなどを通じて、作業者一人ひとりの規範意識を高める取り組みをしている

ルールの順守が労働災害リスクの低減に直結します。作業者の意見も取り入れながら「守られるルール」を作り上げ、継続的な指導・監督を行うことが重要です。