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過重労働への対策

勤務間インターバル制度について

中川 潔(安全安心株式会社)

労働安全衛生コンサルタントとして、業界問わず安全で快適な職場づくりをサポート。
安全衛生診断、現場指導や安全教育などを行い、企業の安全衛生レベル向上に努める。

働きやすい職場環境を整備

新しい過重労働対策として、「勤務間インターバル制度」が注目されています。この制度は、勤務終了から翌日の始業までに一定以上の休息時間を設けるもので、通勤や食事、余暇などの生活時間や十分な睡眠時間を確保し、健康的な暮らしを支えることを目的としています。

十分な休息は心身の疲労回復に欠かせず、日本では、労働者が適切な休息を取れるよう、一定の勤務間隔を設ける勤務間インターバル制度の導入が事業主の努力義務とされています。労働者代表等と話し合い、制度の導入に積極的に取り組みましょう。

【インターバル制度導入のメリット】

  1. ❶従業員の健康維持・向上

    インターバル時間が短くなるほどストレス反応(外部からの刺激や負荷によって生じる、心身の緊張や変化)が高まり、起床時に疲労感が残りやすくなることがIT系労働者1,811名を対象とした研究(Industrial Health 2017, 55, 173–179)で明らかになっています。十分なインターバル時間を確保することが、従業員の健康の維持・向上につながります。

  2. ❷従業員の定着・確保

    労働力人口が減少するなか、人材の確保と定着は重要な経営課題です。十分なインターバル時間を設け、ワーク・ライフ・バランスを充実させることで、職場環境の改善や魅力ある職場づくりが進み、人材確保や離職防止の効果が期待できます。

  3. ❸生産性の向上

    十分なインターバル時間の確保により、仕事に集中する時間とプライベートに集中する時間のメリハリをつけられるようになります。仕事への集中度が高まることで、製品やサービスの品質が向上し、生産性の向上にもつながります。

【導入の手順】

  1. ❶現状把握と課題抽出
    • 労働時間等の現状を把握し、課題を抽出します。
  2. ❷制度の設計と検討
    • 制度の適用対象を設定します。
    • 確保すべきインターバル時間を設定します。
    • 制度の利用手続きなど運用ルールを検討します。
    • 就業規則の改訂や労働協約の締結を行います。
  3. ❸導入と運用
    • 管理職や従業員に、制度の内容や導入の意義を周知します。
    • 必要に応じて、顧客や取引先にも制度の趣旨を説明します。
  4. ❹導入後の効果確認と見直し
    • 効果を確認して、課題を洗い出し、制度内容や運用方法を継続的に改善していきます。

■例:11時間のインターバル時間を確保するために始業時刻を後ろ倒しにする場合

インターバル時間イメージ

従業員の健康は職場の生産性や定着率に直結するため、十分な休息時間の確保が重要です。勤務間インターバル制度は義務化の検討が進められていますが、義務の有無にかかわらず、導入を積極的に進めましょう。