中川 潔(安全安心株式会社)
労働安全衛生コンサルタントとして、業界問わず安全で快適な職場づくりをサポート。
安全衛生診断、現場指導や安全教育などを行い、企業の安全衛生レベル向上に努める。
オートショックAED
労働安全衛生コンサルタントとして、業界問わず安全で快適な職場づくりをサポート。
安全衛生診断、現場指導や安全教育などを行い、企業の安全衛生レベル向上に努める。
AED(自動体外式除細動器)は、心臓の状態を解析し、必要に応じて電気ショックを与えることで、その働きを正常に戻せる装置です。心臓の異常は、職場を含むあらゆる場面で突然発生する可能性があり、とくに、心室細動という不整脈が起こると、脳を含めた全身への血液供給が止まり、脳の機能が停止して命にかかわります。そのような事態に直面したとき、救命のために重要となるのが、AEDによる心肺蘇生法です。
しかし、あるAEDメーカーの調査※では、「目の前で突然人が倒れた場合に救命処置ができない/できるかわからない」と答えた人が76.0%にのぼり、その理由として18.7%が「電気ショックをすることに不安があるから」と回答しています。こうした不安や抵抗感を軽減してくれるのが、必要に応じて自動的に電気ショックを行う「オートショックAED」です。2021年に認可された新しいタイプのAEDであり、今後さらに導入が進むと見込まれています。
電気ショックが1分遅れるごとに救命率は約10%ずつ低下するとされており、わずかな躊躇が生命にかかわります。使用者の心理的負担を軽減するオートショックAEDの普及は、AEDの使用率や救命率の向上に貢献すると期待されています。
オートショックAEDには左図のロゴマーク表示があり、ショックボタンがないため簡単に見分けることができます。
(画像提供:JEITA 一般社団法人 電子情報技術産業協会)
※旭化成ゾールメディカル株式会社『【2025年度版】一次救命処置およびAED使用に関する意識調査』(2025年6月16日)
操作方法は従来のAEDと基本的に同じで、電気ショックが、手動ではなく自動になった点のみが異なります。
機種によって、電源スイッチがあるものと、フタを開けると自動で電源が入るものがあります。
電極パッドは2枚あります。パッドに書かれたイラストのとおり、2枚とも貼ってください。衣類の上から貼っても効果がありません。衣類を脱がせ、素肌に直接貼りましょう。
電極パッドが貼られると、AEDが自動的に心電図を解析し、電気ショックが必要かどうかを判断します。
電気ショックが必要とAEDが判断した場合、「電気ショックが必要です。3秒後自動で電気ショックを行います。体から離れてください」と音声で知らせますので、すぐに離れてください。その後、「3、2、1」とカウントが流れ、「電気ショックを行いました。体にさわっても大丈夫です。直ちに胸骨圧迫(心臓マッサージ)と、可能であれば人工呼吸を始めてください」と指示が出ます。指示に従い、胸骨圧迫と人工呼吸を行いましょう。
1回目の電気ショックで心臓の機能が正常に戻らない場合は、2分後に再度、心電図の解析が始まります。❸以降の手順を、救急隊が到着するまで継続してください。
万が一に備えて、AEDの使用方法を身に付けておくことが大切です。従来のAEDも継続して使用できますが、新規購入時や更新時にはオートショックAEDを選ぶようにしましょう。