中川 潔(安全安心株式会社)
労働安全衛生コンサルタントとして、業界問わず安全で快適な職場づくりをサポート。
安全衛生診断、現場指導や安全教育などを行い、企業の安全衛生レベル向上に努める。
震災対策の備蓄
労働安全衛生コンサルタントとして、業界問わず安全で快適な職場づくりをサポート。
安全衛生診断、現場指導や安全教育などを行い、企業の安全衛生レベル向上に努める。
震災対策として多くの企業が備蓄品を備えていることと思います。事業者が備蓄を検討する際には、家庭用の備蓄とは異なる視点が求められます。家庭用の備蓄は生活維持が目的であり、飲料水や食料が中心です。
一方、事業者では、帰宅困難者や復旧作業にあたる従業員のための水・食料に加え、被害に対して応急的な復旧作業を行い、ライフラインが停止した状況でも事業を再開できるような備蓄が必要となります。
被害を想定し、人数などを考慮して備蓄品の選定を行いましょう。
作業手袋、マスク、ゴミ袋、高圧洗浄機、ドライワイパー など
電力が遮断された場合も、ソーラー発電設備や大容量の蓄電池、給電可能な自動車などがあれば、小規模事業所は事業再開の可能性が高まります。規模の大きい事業所でも、設備や業務の優先順位を明確にすることで、段階的な再開が可能となるでしょう。また、社用車には常にガソリンを半分以上入れておくようにしましょう。
※ガソリンを専用容器で備蓄する場合は、爆発事故を防ぐ対策をしっかりと行ってください。
備蓄品が被害を受けないよう、保管場所にも注意が必要です。
※焼失などを考慮して複数箇所に分散保管しましょう。
備蓄品は揃えて終わりではありません。災害時に役立つよう管理することが重要です。
飲料水や食料には賞味期限があるため、計画的に購入し、入れ替えましょう。
害虫やカビ、夏場の気温上昇による腐敗から食品を守るための対策を講じましょう。
備蓄は、事業主や従業員の命を守り、事業の早期復旧を支える重要な物資です。必要なものを揃え、適切な保管・管理を徹底しましょう。