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災害防止女性作文コンクール 大賞受賞作品(2)

"ケガ"から気づいた職場の安全対策

岡本友恵(株式会社アース・プランニング・香川県)

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「痛い!」

突然私の足に何か鋭く堅い物が当たり、転んでしまいました。見ると、棚にきちんと整頓されているはずの報告書の箱が通路の床に置かれてあり、その箱につまずいたのでした。

「もう、誰がこんな所に置いたん?」

怒りを抑えながら自分の足を見てみると、箱の角に接触したらしく、擦り傷から血がにじんでいました。

私が勤務する会社は、主に測量業及び建設コンサルタントを営んでおり、報告書(成果品など)を保存している部屋があります。この部屋は、書庫専用として利用しているので、普段あまり出入りもなく、日中はほとんど日が当たらない薄暗い場所に位置しています。

この日、使用していた報告書を片づけるために、この部屋へ入ったのですが、
「ちょっと片づけるだけやからすぐ済むし、経費節減のため電気も点けんでいいか…」という気持ちから、横着した私も悪かったのですが、まさか、棚にきちんと並べてあるべき報告書が、通路の床に置かれているとは当然思ってもいなかったので、とても腹が立ちました。

当社はISO9001を認証取得しており、私は通常業務とは別に、品質管理責任者の仕事も任されています。

「汚い職場からは良い品質のものは生まれないし、良い仕事をすることは難しい」をスローガンに、5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を品質目標として掲げ、全員で取り組んでいます。特に整理・整頓には気を配り、年々増えてくる報告書や図書などには、年度と管理番号を貼付した上で、使う人がすぐに取り出せるように置き場(棚)を決めて保管し、一覧表を作成して管理しています。

女性従業員は私一人なので、出したら出しっぱなしのみんなの行動に、
「これ、誰か持っとる?」「○○○どこにあるか知らん?」と、いつも口うるさくこんな言葉を発していた日常でした。でも5S活動が定着していくことで、品質向上、モラールアップ、職場の活性化、そして安全の確保に通じるものがあり、気持ちよく日々の業務を行うことができてきたし、完璧とは言えませんが、仕事も少しずつスムーズに流れていくようになりました。また、来客の方にも、「いつも事務所がきちんと片づいていて、綺麗やなあ」と、とてもうれしい言葉も頂きました。

しかし、今回のようなことがあったということは、マンネリ化してきたことが原因であり、再発防止策を考えなければいけません。防止策といっても、何かを設置したり購入したりではなく、これはやはり一人ひとりの意識の問題であると、私は考えました。几帳面にきっちり整理する人もいれば、大ざっぱで細かいことなど気にしない人もいます。性格の違う人それぞれに、同じタイミングで実行するよう要求しても、なかなか難しい面があります。

そこで、最初から無理をせず、まずは毎月の第一土曜日及び第三土曜日に、朝一番の仕事の取りかかり前30分間で、全員一斉に整理・整頓をするという、新しい目標を設定しました。実行して約半年になりますが、自分のデスク周りの片づけ、使用している書類や備品の返却、そして書庫や用具の点検など、30分間なら仕事に差し支えなく、みんなで集中して取り組めています。

最近では、「今日は片づけの日やんなあ?○○○掃除せんとやばいんと違う?」と逆に聞いてくれる社員もいて、とても頼もしさを感じている今日この頃です。

私の足の傷跡は、まだうっすらと残っていますが、このような体験から、私自身の安全対策というより、会社全体、そして社員みんなの安全対策につながるような取り組みと改善ができ、うれしさでいっぱいです。